旅日記 04. 鳥取県智頭町

iyaoi

2014年03月30日 16:55

今回の旅、最期の目的。
上野俊彦さん、「大麻」の栽培許可を取得し鳥取県智頭町に移住され、60年ぶりに麻栽培を復活し限界集落の再生を目指す、という試みをされている方の講演会。


「大麻」というと「麻薬」をイメージされる方、多いと思います。
なので少し「大麻」のお話を。

古来より日本人の生活に密接に関わっていた大麻草。お米の歴史を更にさかのぼった一万年前から栽培されていた跡が見つかっていて、伝統文化の隅々まで浸透しているその用途は数十種類にも及ぶそうです。例えば、神社の鈴縄、蚊帳、横綱の化粧まわし、花火の火薬、住宅の素材、断熱材、高級車の部品強化材、七味の一種、穀物としてなど食用、薬、漢方...など主要作物の一つとしてどこでも当たり前に栽培され、そこら中に生えていた大麻草は、戦後、薬物として認識されるようになり、法律で規制され、いつしか人々の生活から消えていったと。。

現在日本において、いわゆる「大麻」麻薬成分と指定されたものを含むものと、人体において麻薬としてその成分を機能する程含まないと定められた「産業用大麻」がある。

1990年初頭よりイギリスを皮切りにオランダ、ドイツ、オーストリア、カナダと大麻草の栽培が規制緩和され、欧州の動きから20年、今では、アメリカでも徐々にその活動が広がり、世界的に大麻草の利用価値の見直しが近年進んでいて、世界のなかでも長寿の村として有名な中国の巴馬(バーマ)という村では、大麻が栽培され今でも生活必需品だそうです。日本も長寿国といわれますが、高齢者の生活の仕方がまったくちがうそうです。日本は薬を飲んだり寝たきりだったりが大半、巴馬は薬は飲まず、100歳を超え死ぬ間際まで畑でくわをふり、薪をわり、自分の足でひょこひょこ出かけていくそうです。真の長寿のように思います。巴馬の長寿には大麻が大きく影響しているようです。

大麻は成長過程においても虫がつきにくく成長速度も早く育てやすいそうです。農薬を使って育てようとすると、病気になったり逆に上手く育たない。自然の力できちんと育ち、土を浄化し、強い強い繊維になり、高い栄養価で人を強くする、どうしてそんな魔法のようなものを人は手放し葬ってしまったのでしょうか。

智頭町長の言葉が心に響きました。
「私は現代社会でみんなが作っては捨て作っては忘れと、皆が捨て、忘れてしまってその辺に落ちてる物を集めてそれで遊ぶような村づくりをしたいんです。みんなが高層ビルの上に住まなくてもたまには地面に住む人がいてもいいでしょう。」

智頭町の古い集落には、数十年前大麻が日常生活にあった証のように、集落の方の蔵に繊維加工の道具が眠っていたそうです。そして、あの頃そういえばああだったこうだったと、人々の記憶が蘇ってきたそうです。機械を復活させ、昔の人の知恵、県知事、町長、役場職員の協力のもと、上野さんは限界集落の再生、さらには日本の再生を目指しています。

周りがどうであろうと本当に大切なことを見抜き行動に移すこと。見習います。


上野俊彦さんホームページ 八十八や
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清々しく一生懸命な方々との出逢い、また自分を見つめる機会をいただきました。

大切な時間を一緒に過ごしてくださったみなさま、本当にありがとうございました。



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